頑なに持つ事を拒んでいた携帯電話を手にした彼は、酔っ払っては携帯電話に詩をしたため、それを知人に手当たり次第送りつけていた。ある日の夜明けに一編の詩が私の携帯電話にも送られてきた。即座に私は返信した。「今日以降、スカパラの楽曲の作詞は全て谷中がやるべきだ」、と。
…あれから20年近くの歳月が流れ、谷中敦君は私の進言どおり、あの日以降の東京スカパラダイスオーケストラの全作品の作詞を担当し、ほかにも数多のアーチストに歌詞を提供するまでになった。
そしてこの夏、私から彼に初めて作詞の仕事を依頼するチャンスに恵まれた。アートディレクターの千原徹也君と才媛・武藤千春さんがパーソナリティを務めるJ-WAVEのラジオ番組内の企画から生まれた楽曲で、だ。
武藤さんがボーカルを取ることに決まり、千原君が歌詞の原案を、僕はナカムラヒロシ君と曲を作り、拙い仮歌まで唄い、そのデモを谷中君にLINEで送った。
紆余曲折を経て出来上がった曲の名は「揺れてたブランコ」(トーキョーベートーヴェン feat.武藤千春)。それが明日、つまりは今夜零時に配信リリースになる。非常に感慨深いものがある。
我々の20年も、何か宣伝めいた嘘臭い話になりそうだからここには配信先のリンクは貼り付けないでおきます。
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