C&K『みかんハート』をカバーさせていただきました!
心をこめて歌ったので、聞いてください!
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こんばんは、バランです。今回はC&Kさんの『みかんハート』のカバーということですね。
なんというか、こういう系統の曲を歌わせたら毎回言葉を失ってしまうし
賞賛の言葉をたくさん書きたいんですけど、それすら尽きてしまうくらいに
いつもいつも素晴らしい作品にしてくれてありがとうございます。何でめっちゃ普通にリスナー目線でコメントしてんだ。まあいいですよね。はい。
まあ、こういうのが『えもいわれぬ』(何も言うことのできないほどの)美しさっていうのでしょうか。
自分の語彙力の少なさが悔やまれます。
ちなみに、ずま君に今回もコメント貰いに行ったんですけど
開口一番が『最後まで歌ったのにデータが消えた』でした。マジか。そういうことあるよね。保存は大事。
でも『諦めずに最初よりも高いクオリティーにしてやろうと挑んだ』そうで、
『一回本気で歌っていたことで、データが消えた後に取るときは、すでに"自分のもの"にしていたから、さらに感情を込めることができた』んですって。
まさに転んでもタダでは起きぬを地で行くスタイルです。すごいね。
これが典型的な"記録には残らないけど、記憶には残っている"ってやつですよね。なんのドラマかな?
ちなみに完成まで20時間くらいかかったそうです。これが長いかどうかは僕にはわかりませんが
めちゃくちゃ想いが詰まっていることは伝わりました。皆さんはどうでしたか?
今回ギターとミックスでお手伝いいただいた二宮 楽さんも『ずま君がこの曲は大好きなので、ただただシンプルに、一層大切に歌えるように心を込めて演奏、ミックスさせて頂きました』ということで
いつものことなんですけど、曲で意思疎通ができているんですよね。
ずま君は『さらに感情を込めて歌おう』としていて、楽さんは『一層大切に歌えるように』している。
曲を通じての対話が今回も行われていました。
『ミックスしながら何度も泣きそうになりました。良い歌です。』とのコメントも頂いています。
込める思いが並々ならぬものであるのは、二人とも変わりがなかったようです。そりゃあ良い作品にもなります。ええ。二人の想いが結晶として表れているわけですからね。うん。
『みかんハート』という曲に関しても少し書こうと思います。
今回の歌詞は非常にストレートですよね。少なくとも僕の見る限り、ただただひたすらシンプルに『不倫の恋の報われなさ』を描いているのかなと感じました。
『人を好きになる怖さと幸せを知って』のところの『怖さ』とか
『あぁ愛しの人の いつも隣には違う誰かがいて』のところの『違う誰か』とか
『気持ち隠して身を引いて 忘れようとしたけど、やっぱ、ダメだった』のところで『身を引く』と言っているところ等から考えるに、『この恋は不倫であり、それが叶わない』という内容であることはほとんど確定的と言ってもいいんじゃないですかね。うん。
で、今回僕が気になったのは、タイトルの『みかんハート』です。
なぜ『みかん』をひらがなにしたのかという理由は、いくつか思い浮かぶんですけど
よく考えてみると、非常に深いところまで比喩されているのではないかと感じました。間違ってたらマジでごめんなさい。
とりあえず、『未完』と『ミカン』で掛かっているのはいると思うんですけど
それは未完の甘酸っぱさと、恋の甘酸っぱさを表していたり
少し力を加えてしまえばつぶれてしまうようなミカンの脆さと、不倫の恋の脆さを表していたりするのでしょう。
ここまではそんなに冒険じゃない気もします。こっからちょっとドキドキしてくるのでお手柔らかに聴いて下さい。
まず、そもそも現代のミカンとは『ウンシュウミカン』という品種を刺すようですけど
このウンシュウミカンは当初、非常に縁起が悪いものとされて、栽培されることが無かったんですって。
何故そんなに縁起が悪いかって?『種子を生じない』からなんです。なるほど。
なんというか、不倫がテーマの曲に、『みかん』ときてこのエピソードを見ると、非常に意味深に見えるのは僕だけでしょうか。僕だけですね。はい。
次に、心理学の実験で『ゲシュタルトの欠けた円』というものがあります。
左側に〇のマークがあり、右側には円の一部がちょっとだけ欠けたCのようなマークがあるんです。視力検査で使うC(ランドルト環)みたいな。
そのとき、どっちに目が行きますか?という実験なんですけど、やっぱり、"欠けている"部分に目が行く人が多いんですって。
これは、認知的不協和と言って、『欠けた部分に目が行く』というのは人間の習性としてあるそうですよ。へえ。そういえば太陽とかも、日食ってなったらみんな欠けてるところに注目するもんね。それは違うのかな?まあいいけど。
で、この前提で『みかんハート』というネーミングに戻るんですけど
今回あえて『みかん』に『ハート』をくっつけたのは、"ハートマークの一部が欠損(未完)していて
そこにばかり目が行ってしまう"という意図がダブルミーニングとして込められているのではないでしょうか。
もちろん、その欠けた部分とは『抱きしめたいけど抱きしめられない』とか『人生を一緒に歩きだせない』とか『普通の恋人のようには会えない』といったものですよね。
『何度も「やめよう」 言い聞かせても 想いは増すばかり』とか
『あぁいつもどこかに あなたの姿や影を探している』のあたりって、結構この『欠けた』部分に目が行ってしまっているような感じもするんですけど、どうでしょうかね。だめかな。
あ、ちなみに、みかんの花言葉は『花嫁の喜び』だそうです。
これって、なんでこの花言葉が付いたかっていうと
ヨーロッパの結婚式では、花嫁の髪飾りにオレンジの花を使うという文化があるからなんですって。結婚式って、ダイヤモンドの指輪を交換するくらいしかイメージなかったですけど、ヨーロッパにはこんな文化があるんですね。へえ。
『みかん』自体が、結婚にまつわる花だったことは、偶然ではないと思います。はい。
花嫁としての喜びを感じたかった歌、とも言えなくはないですしね。ええ。
他にも、『みかん』を今回の歌の比喩に選んだと思われる(かもしれない)理由はあります。
小説です。芥川龍之介が『蜜柑』という小説(エッセイ)を残しているんです。
簡単にあらすじを言うと、主人公が汽車に乗っていると、『娘』(13~14才)と表現される女の子が
眼下に現れるんです。で、おもむろに汽車の窓を開けて、ミカンを5つ6つと窓から投げたんだそうです。
これは、汽車の外にいる見送りにきた少年への、気持ちのお返しとして投げ入れたものなんです。
それをみて、主人公は感動したというストーリーなんですが
ここでは『蜜柑』は別れのシンボルとして描かれています。
まあ、芥川龍之介の時代ですから、電話もそんなに普及してないでしょうし
手紙くらいしか連絡取れないですからね。ええ。
ここで注目すべきなのは、ただの『別れ』でなく『離れたくないけれども、離れなければいけない別れ』である、ということです。
これって、今回の曲のテーマともリンクしているので、こういうモチーフが『みかんハート』という
タイトルにもあったのかもしれませんね。芥川龍之介の『蜜柑』は文学に精通している人であれば
比較的有名な作品ですので、モチーフの一つとされてもおかしくはないですけど…どうでしょう。あたってますように。
あ、ちなみに今、『ミカン』を『蜜柑』と漢字で書きましたけど
蜜柑という漢字は『蜜』のように甘い『柑橘』(かんきつ)から来ているんですって。
まあ、ミカンはカンキツ類ですもんね。
ちなみに、植物の話をするときは、ミカンを含む柑橘類のことを『橘』(タチバナ)と言うんですけど
果物の話をするときは『橘』と『蜜柑』はよく似ているが、区別されるんですって。
そして、蜜柑によく似ているとされる『橘』の花言葉は『永遠』だそうで、なんとも複雑な気持ちになります。
『蜜柑の方が、蜜のように甘いが、それに似た橘は甘くないけども永遠』。不倫と純愛の関係性を表していると考えられなくもないと思いますが、これも偶然でしょうかね。ええ。
ちなみに、『古事記』には『非時香菓』(ときじくのかくのこのみ)という橘の実が出てくるんですけど
『いつまでも香りが消えない果実』として描かれています。現代のいわゆる"匂わせ"みたいなものの比喩だったら、これはすごいですよね。
『あぁいつもどこかに あなたの姿や影を探している』という歌詞はありますけど、さすがにこれは違いますか?どうかな。はい。
それから、蜜柑にまつわる話は古典にもあって
『千両蜜柑』という演目なんですけど、これは『"病気の若旦那が、ミカンが品薄の時期にたまたまミカンを食べたがった"というめちゃくちゃ特別な事情により、スーパーラッキー的に莫大な値が付いてしまったミカンがあって、商人がそれを『どこでも通じる資産』と勘違いして、自分の未来を捨てて失踪してしまう』
というあらすじです。
『無鉄砲で盲目的になった結果、未来を捨てて失踪する』っていうテーマ、なんとなく今回のストーリーとマッチする気もするんですけど
いかがでしょうかね。はい。
『あなたの言葉に踊らされて 喜ぶ自分が馬鹿みたいで 本当の自分を徐々に失ってくのでした』あたりとか、結構近いかな?って思います。だめかな。うん。
はい。こんな感じで、『みかんハート』というタイトルに込められているかもしれない、込められていたら個人的にはとっても嬉しいと思う考察をまとめてみました。
是非皆さんもコメント欄で様々な解釈を聞かせてください。絶対僕より詳しいと思うので。よろしくお願いします。
ん?いや、今回はしょうもないこと言わずに普通に終わってみようかなって。
語りすぎてオチが見つからないんです。ありがとうございました。サヨナラ。
(バランより。)
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