まだ日本が先進国とは呼ばれず、食料が不足していた50年ほど前には、食物アレルギーはほとんどなかったと言われています。 しかし、最近、食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎や蕁麻疹、鼻炎や喘息などが増え、花粉症などのアレルギーを発症する方も多くなりました。 アレルギーは日本だけの問題ではなく、欧米をはじめとする先進国では注目されている問題の一つです。その原因はまだ明確にはなっておらず、対処法も確立されていないため、私たちは自分の体を自分で守ることが必要になっています。 食物アレルギーの原因物質は、時代の変化とともに変わっていく可能性が高いので常に食品衛生法の表示ルールは変更されています。ここでは現在のアレルゲン27品目をチェックしてみましょう。 アレルゲン27品目一覧 食物アレルギーの原因物質には、必ず表示することが義務付けられている特定原材料7品目と、義務付けられてはいないものの表示することが推奨されている特定原材料に準ずるもの20品目があります。 特定原材料7品目 乳 卵 小麦 そば 落花生 えび かに (平成31年1月現在) 特定原材料に準ずるもの20品目 あわび いか いくら オレンジ キウイフルーツ 牛肉 くるみ さけ さば 大豆 鶏肉 豚肉 まつたけ もも やまいも りんご ゼラチン バナナ ごま カシューナッツ (平成31年1月現在) 近年の食品衛生法の変化 最近は食物アレルギーが大きな問題となっているので、食品衛生法が大きく変化しています。 特定加工食品の廃止 2015年4月以前は、「特定加工食品」と言って、卵や乳などが入っていることが明らかな食品は、わざわざ原材料を明確に記載しなくてもよいというルールがありました。 例えば、ヨーグルトにわざわざ「乳」が入っていますと書かなくてもよかったわけです。 ▼特定加工食品の例 卵:マヨネーズ/かに玉/親子丼/オムレツ/目玉焼/オムライス 乳:生クリーム/ヨーグルト/ミルク/ラクトアイス/アイスミルク/乳糖 小麦:パン/うどん しかし現在は、「特定加工食品」は廃止されています。より正確な食品原材料表示が求められているのです。 食物アレルギーの原因物質の追加 厚生労働省は平成13年4月1日よりアレルギー物質を含む食品表示を義務化しましたが、それからまた随時特定原材料は変化しています。 ▼これまでに行われた特定原材料等の見直し 平成16年度:特定原材料に準ずるものに「バナナ」を追加 平成20年度:特定原材料に「えび」、「かに」を追加 平成25年度:特定原材料に準ずるものに「カシューナッツ」、「ごま」を追加 食物アレルギーの原因物質は、重篤な健康危害が見られた症例を随時見直し、追加検討が行われています。 日本ではアレルゲンに対するルールが少しずつ厳しくなっているような印象をうけますよね。 日本とアメリカの食物アレルギーの現状 先進国では共通の問題とされている食物アレルギーの増加ですが、今のところはっきりとした原因は示されていません。 食の欧米化と日本人のアレルギー増加の関係 ただアレルギー疾患が増えてくる1970年以降、植物性たんぱく質(米、大豆など)が減り、動物性たんぱく質の摂取が増えていることを指摘されることが多いことは確かなようです。 若年層におけるアレルギー患者の増加は、動物性タンパク質の増加,特に牛肉、牛乳・乳製品などの摂取増加が動物性脂肪の摂取増加につながっており,日々の摂取脂肪エネルギー比率を約30%以上へと引き上げる高たんぱく質・高脂肪食の食生活が主要な原因ともなっていると考えられている。
https://www.chounaikankyou.club/article/allergen.html
Search